テクニックはあるがサッカーが下手な日本人(子どもたちへ)2010/12/03

テクニックはあるがサッカーが下手な日本人 なんとなくわかったかな?

それでは、サッカーが上手ってどんな子? 

スピードがあってドリブルで2,3人抜いてネットに突き刺さるシュートが打てる子? ロングシュートが打てる子? でもそれってテクニックのある子なのかな?

ある6人をみてみよう

DF T君は、1対1がとても強く、抜かれても追いかけるガッツがあるね、G君は、 
    どんなに早い子に裏をとられても追いつく凄いスピードがある。 

MF ボランチのR君は、取られないボールの持ち方をし、フリーキックもとても上
    手、トップ下のS君の視野の広さとスルーパスはびっくりしちゃう、  

FW どこでも出来るH君は、凄いボディーバランスで足をひっかけられてもたおれな
    いで何人も相手を抜いちゃう、Y君は、誰にも負けないドリブルの早さで何度も 
    キーパーと一対一になって得点を決めちゃう・・・

みんなとても上手だね、でもそれは、テクニックがあるんだとはおもうんだけど・・・たまに、お互いの距離感が離れていて連携が悪い時には、みんなあまり上手にみえないで、ばらばらに自分勝手に試合をしているように見えるときがあります。  

 

前にも一度ふれたことがあるのですが、ドリブルが上手ではないけれど、とても良い場所にいてごっつあんゴールを決める子はサッカーが上手なのでは?と書いたことがあります。 目立たないけど、MFでインターセプトをいつも狙っていて、とったと同時にスルーパスを出す子、前線からプレッシャーをかけて自由にパスを出させない子、FWをマークして前を向かせない子、みんなサッカーが上手なのかもしれません(それも広い意味ではテクニックかな?) 

なんとなく、テクニックがある=ボールの扱いが上手 サッカーが上手=勝つために、チームのために考えて判断しプレイ出来る子 という風に思うのですが?  

 

DFは、ボールを取るテクニックは必要 そのボールをMFにつないだり、キーパーにパスしたり、攻撃につながるプレイをするのがサッカーが上手な子では? 

MFは、ボールを持つのも、スルーパスが出せるテクニックも必要だけれど相手に読まれてしまうように同じプレイを続けていては、サッカーが上手とは言えないのかも、時にはドリブル時にはパス、ワンツウでDFをくずしたり、その時々に勝つために一番良いプレイを判断し出来る子がサッカーが上手な子では?

 

FWも、ドリブルだけではなく、時にはサイドにひらいてクロスを上げたり、時には後ろにはたいてミドルを打たせたり、フリーランニングで相手のディフェンダーをひきつけたり・・・ 

サッカーが上手というのは、状況を判断して勝つために一番良いプレイを選択できることなのかもしれません?  

 それには何が一番必要なのでしょう? 

いろいろな状況を作り出すには仲間の手助けがなければ絶対にできません、パスを出すには受け手がいないことにはだせませんし、サイドからどんなに良いクロスをあげても信じて走ってくれている仲間がいなければ何の意味もありません、DFがボールをとっても受けてくれるGKやMFがいなければ、すぐに相手にとられてしまいます。  

サッカーが上手な子は、チームワークが良くて、仲間を信頼し助け合えるチームで、はじめてサッカーが上手と言われるのかもしれませんね、自分勝手に自由にしているのは、テクニックがあるのであって、サッカーが上手とは言えないのかもしれません。

逆に、テクニックはさほどなくても、チームワークが良く助け合って、連携しているチームはみんなサッカーが上手に見えるのかもしれません。 

貢川のちびっ子は(三年生以下)ちょうどそんな感じなのかな?みんなボールの扱いは上手ですが、びっくりするようなテクニックを持っている子は、先輩達に比べると少ないかもしれません。しかし、みんなで仲間をリスペクト(尊敬)し信頼し助け合って、必死になってボールを追う試合はとても面白いし、みんなサッカーが上手に見えます。(怒られちゃうね。みんなテクニックも十分。)

テクニックを磨くことももちろん大事、でも本当にサッカーが上手になりたかったら、まずは仲間をリスペクトして、信頼することも必要なのかもしれません、つい目先の勝ち負けにこだわって喧嘩をしたり、不甲斐ない仲間のプレイに怒ったりすることもあるかもしれませんが、サッカーが好きでサッカーが上手くなりたいなら、まずは仲間を尊敬し、信頼することも必要になってくると思うのですが・・・
 シュートが打てるのもボールを奪い運んでくれた仲間のおかげ、得点が入ったのもアシストしてくれた仲間のおかげ、自分は抜かれたけれどゴールが入らなかったのも仲間のおかげ、そんな事を頭にいれながらサッカーをしてみてください。また何か新しい感じがつかめるかも・・・
 上級生は試合が続きます。目指せサッカーが上手な子・・

 




テクニックはあるがサッカーが下手な日本人(その1)2010/12/08

「テクニックはあるが~」の著者のHPに管理人が思い悩んでいた「フットボール」と「サッカー」の違いに関するツイッターがありましたので少し紹介します。サッカーについての説明はないような気がしますが、
そこは私見で(^_^;)

子供達の指導やフットボールへの取組の参考になれば良いのですが・・・

 

その中の一項を

差(25)スペインでは「フッボールで勝ちにこだわることを楽しんでいる」そして、スペインにはその気持ちとその価値観を更に加速させる環境が整っている
差(26)一方日本では「サッカーボールを蹴り、そして追いかけることを楽しんでいる」ように見える選手が多い。しかも、そのような牧歌的なプレーを加速する環境が整っているような気がしてならない
 従って、テクニックはあるがサッカーが下手な日本人と呼ばれることになる

前回のVFK昇格時BSアンテナを設置しました。そこで目にしたのは、プレミアリーグ(英国)とリーガエスパニョーラ(西国)でした。これが実に面白く、それ以来毎日1試合は試合を見るようになり、そこで出会った言葉が「フットボール」という言葉でした。

そこで感じたのは「サッカーとフットボールは違う」という感覚でした。

 

前述の2国はもちろんフットボール、大木監督時代のVFもW杯前の日本代表もそれを目指したように思います。

 一方W杯の日本代表もJリーグもサッカーという感じです。

 具体的?には、

サッカーはサッカーボールを蹴る事を楽しんでいる、フットボールはボールを足で扱いながら勝つために何ができ、何をするかを楽しんでいる・・・(ニュアンス伝わりますか)


 大木監督時代のVFは、技術の劣る選手がクローズドと呼ばれる狭い局面のパス回を多用し相手を引きつけながら、バレー、S原のドリブルなどの個人技等をからめてバリエーション豊かな攻めで相手のDFを崩していきました。(技術が低いせいか段々クローズドの位置がハーフライン近くになってしまったのが致命傷になったと思いますが・・・)

今年のVFは一か八かのDF、運良く出たこぼれ球を、ロングボールでマイクにあてる、又は、スペースにだしてパウリーニョを走らせる・・・というような感じでした(?)今年相手を崩しきり、ゴールに流し込む得点が何点あったでしょう?

一昔前のイングランド代表も、J2サッカーも、高校サッカー(今は?ですが)も、がちがちに守って奪ったボールを前線へ放り込むサッカーでした。

これは、屈強なDFと正確なキッカーが一人いて、足が速いか決定力のあるFWがいれば、勝率が上がる、(勝てるではありません)これがサッカー(ボールを蹴ることを楽しむ)という気がします。

W杯日本代表もボランチに阿部選手をおいて、守備的な布陣をしき前線の本田、大久保、松井の3人で何とかしてくれ という感じでした。
  

これが、スペイン代表に代表されるフットボールでは、ポゼッションを重視します。DFは連携しながらなるべくファールなしでマイボールにしようとします。(当然ファールは相手ボールになってしまいますから)、マイボールは、DFラインで回すなど最もセイフティーな方法で中盤へ、ここで、バルサのチャビなどに代表されるゲームメイカーを起点に、素早いパス回しや逆サイドへの展開、くさびへの縦パス、サイドへのスルーパス、ドリブルetcこれら意外性のあるプレイで魅了しながら前線へ運んでいきます。

バイタルエリアまでいくと、アーセナルのような短いパス回しでDFを翻弄したり、ワンツウでDFをすり抜けたり、Cロナウドやメッシのようにドリブルで仕掛けフィニッシュまで持っていったりetc・・・

最後は、ドログバやシャビ等に見られるFWの高い技術で(此処は個人のテクニックになっていましますが)難しいクロスボールに合わせたり、DFを背負ったままフィニッシュにもっていったり・・・

個の力はもちろんありますが、それがチームとして融合し連携しあう美しさ足で良くあんなことができるな~なんて思わせるのがフットボールのような気がします

一方日本のサッカーでは、良く決定力不足という言葉を聞きますが、崩しきれずDFが何人もいるような状況で苦し紛れのラストパスをいくらもらってもそれは、点がはいらないだろうとうい気がします。
 あれだけバルサで簡単にゴールを決めているように見えるメッシですら、W杯の連携不足のアルゼンチン代表では得点することが出来ませんでした、個のテクニックだけではなかなか得点は難しいという見本のような気がするのですが・・・

勝ちへのこだわり方も若干違うような気がします。

フットボールは確実な勝ちにこだわるからこそ、何が最良のプレイかを考え、体現してゆくがゆえに技術が向上し見ている者が魅了される

サッカーは、一か八か放り込んで勝てればラッキー?ギャンブルに近いような気がします。

(その2へ)

テクニックはあるがサッカーが下手な日本人(その2)2010/12/16

筆者が本当に言いたかった題名は「テクニックはあるがサッカーが下手な日本人」ではなく、「テクニックがありサッカーは出来るが、フットボールが苦手な日本人」なのかもしれません。

ヨーロッパでは、オシム監督も言っている通り、フットボールは模擬の人生経験であるという考え方があるようです それは長い歴史に培われた文化なのかもしれません。


  カオスであり、手を使わないフットボールはミスの連続です、その一瞬一瞬に最良の答えを求め、行い、さらにミスを繰り返します.
 しかしピッチ上には、頼るべく指導者も親もない、敵以外は自分と仲間しかいません、その中で自分で判断し、または仲間と導き出した答えに責任を持たなくてはなりません、個人での突破も時には必要ですが、時として一人よがりの行動だけではどうしようもない場合があります、そんなとき仲間を信じチャレンジし、ミスを助け合いながら、初めて最良の選択、最良の結果(勝利)が手に入る・・・素晴らしいことです。

(一方スペインでは、実力のない子は下のカテゴリーに落とされる厳しさもあるそうですが・・・それこそ社会の縮図ですね、)

これからの子供達には是非 フットボールが上手な(世の中を上手く渡っていける)子になってもらいたいと思うのですが・・・

 それにはどうすればよいか?


第1 兎に角フットボール(生きるということは)は楽しいと思うようにする

   楽しいというのは、ふざけるやいい加減なという意味ではありません、楽しいと
        は、①夢中になれること
            ②課題を克服すること
            ③仲間がいること
            ④勝つこと      (ですかね?)

第2 「ボールを止める、運ぶ、蹴る」を自在にできるようにする(生きる術を学ぶ)

   ここでは、要素還元論的にマーカを使うなどの練習もありだとおもうのです
   が・・・しかし、こればかりでは悪い習慣化に陥る可能性が・・・
   (バランスが難しいですね)

第3 良い習慣を身につけて沢山のカオスに馴れ、悪い習慣化をさせない

    早いうちからカオスに対する練習を始めてもよいのかもしれません ちびっ子の頃
   から1対2 や2対3 ポゼッションゲームもありだと思います。でも一番はミニゲーム
   かも

第4 チームワークの大切さを教える その上で戦術を教える 

    チームワークが簡単そうで一番難しいのかもしれません、勝つことと負けへの折り
   合いをつけること・・・これは次回子供達向けに書きたいと思います
   戦術については難しく考えなくてもOK プレー原則(モウリーニョの理論です)程
   度をお教えることは可能だと思います。前線からプレッシャーとか、サイド攻撃と 
   か、きょろきょろしてマンTOマンのDF程度ですが・・・

第5 自分で判断し行動し責任をもつようにする

    これはサッカーばかりの事ではありません、一番大事な指導者はお父さんお母さん
   方ですね。
   最近出会ったサッカーの本は育児書のような内容です、まさにフットボールは模擬
   の人生・・・これも日をあらためて是非お父さんお母さん方に日々の指導者になっ
   てもらえたら、学校での態度も変わっていくとおもうのですが・・・ちなみに、家
   の指導者はなかなか手強いです(^_^;)・・・

子供たちにフットボールが上手くなるためには、何が最良の方法か?・・・哲学のようになってきましたが最良の練習方法は個々の子供たちと見つけていくしかないですね。
 それは終わりのない楽しい冒険なのかもしれません・・・


 

 



  


  


   

  

 

テクニックはあるがサッカーが下手な日本人(子供たちへ)2010/12/19

勝ちにこだわる (スペインでバルサのコーチをしていた人のお話)
 
勝ちにこだわるからこそ、
    ツライ練習も耐(た)える事ができ、もっと上手になれる                 

 勝ちにこだわるからこそ、
    時には仲間とぶつかりながらより強いチームがつくられていく
 
勝ちにこだわるからこそ、勝った時の喜びは格別なものがある

 みんなはどう思う? 
 やっぱり負けるより勝った方がいいよね。

勝っても負けても、どちらでもよいような気持ちでたまたま勝った試合と、絶対勝てそうもないような相手に、必死に仲間と練習して勝った時と(イナズマイレブンみたいに(^_^)v)では、うれしさがちがような気がするのですが・・・

フットボール選手は負けず嫌いで良いと思います。
 そのぐらいでないと、試合でボールをとれないし上手くならないもんね。
 
 でも勝ち負けにもいくつかあるね
① 試合で勝った負けた 
② ライバルに勝った負けた
③ 自分に勝った負けた

① 試合で勝つにはどうしたらいい?
 点をいっぱいとって、点をとられなければ勝てるね、
 それは、ひとりでできるかな?
 11人が頑張らないとできないね
 勝ちにこだわるなら、仲間と協力しなければ勝てない、そうして、ドリブルなのかパスなのか一番点が取れる又はとられない良いプレイを選択する必要があるね。
勝ちにこだわるなら、いつでも何が勝つために一番必要なプレイか考えよう

② ライバルに勝った負けた
 これはテクニックのことだね、ライバルは他のチームかもしれないし、自分のチームかもしれない、「あいつを抜いてやる」「あいつからボールをとってやる」「あいつからレギュラーをとってやる」そんな気持ちが、上手になろうと努力する力になるね。
 でも一つ注意、あまりにも負けるのが嫌で仲間とけんかになっちゃうことがあるね、ケンカしたら上に書いてある仲間と協力できるかな
 みんなウィニングイレブンで負けそうになると電源切ったことある?
 自分が勝っている方だったらどう?つまんなくない?
 そんないい加減なことするとサッカーがかわいそうだね
 サッカーだもの勝つこともあれば、負けることもあるよね、負けても全力で戦えば、上手くなるとおもうんだけど、電源切っちゃったらいつまでも上手くならないね、本当の試合じゃ電源ないし(^_^;)
 特に仲間とミニゲームで勝ち負けでケンカするのは時間がもったいないね、ケンカしてるヒマがあったら試合をしよう!そうして、上手な子はうまいとみとめて、それに勝てば自分はもっとうまいとおもえればgood、さらにみんなが上手くなれば very good

 とっても強い相手とやると沢山点をとられることがあるね、でもその相手から1点でもとったら、それもライバルに勝ったことにならないかな?あきらめたらおしまい、試合に負けてもライバルに勝てるよう頑張ろう

③ 自分に勝つ
 上手な子は勝ちたいために、失敗した子をおこることがあるね
 一番うまい子に怒られた、うまくない子は次に良いプレイができるかな?
 それはチームが勝つために一番必要なプレイ?
 それはうまい子のわがままだね、自分の気持ちにまけているということかな?勝つために、仲間が良いプレイをするためにガマンできれば自分に勝ったことになるよね。

 もうひとつ「サーカスのゾウ」というお話があります。
 「サーカスのゾウは、小さいころ太いクサリと鉄の棒につながれてどんなにはずそうとしてもはずれない経験をすると自分であきらめてしまって、大きくなってから、細い木の棒に細い糸でしばられただけで『もうぼくはダメなんだ』と勝手に思い込んで逃げないゾウになってしまう」んだって、(*_*;
 自分で、もうぼくには出来ないって決めてないかな?
 大事な試合の前や沢山試合をした後の最後の試合にお腹がいたくなったり、足がいたくなったりしたことはないかな?
 ぼくには出来ないからボールから逃げたりしたことは?
 サッカーは足でするスポーツだから失敗が当たり前なんだって。メッシも試合の中で簡単にボールを取られることが何度もあるし、
 自分でサーカスのゾウになってないかな?失敗したら次に頑張ればOK、
 チャレンジしなければいつまでたっても、失敗もできないよ!

 Jリーグユースから何人くらいが日本A代表になっているか知ってる?
 U-17の時は95%(10人の9人)がJリーグユースなんだって。
 それが、A代表は10%(10人に1人)(01-08年の統計)
 今の日本の20歳以下の代表は、4月~7月生まれで体が大きくてスピードのある選手が選ばれることが多いんだって。でも、本当にフットボールのうまい子はそういう子じゃない証拠かもしれないね。
 自分で決めてしまうのはもったいない、もっともっと上手くなりたいと思って練習すれば、まだまだいっぱいみんな可能性をもっています。
 サーカスのゾウにならないでがんばろう!!

 まずは 絶対に勝ちたいと思うこと、それには、何が一番良い方法かを考えること、自分がどうすればよいか、仲間とどうすればよいか、そうして自分自身をあきらめないこと、それが勝ちにこだわることなのかもしれないね
 そうすれば、みんな立派なフットボーラーさ!!!

フットボールで子供を伸ばす方法(その1)2010/12/28

前日本代表オシム監督の言葉です。
「フットボールは人生の縮図のようなものだ。人生のいろいろなことが学べる。フットボールで子供を育てる事が出来る。フットボールは、考える力、自立する心、乗り越える力、仲間を慈しみ愛する心、フットボールには教育的要素が凝縮されている。」
 これは、私の子育てのポリシーに通じる言葉が凝縮された2冊の本の中の言葉です。
 ジェフ千葉でコーチをされ、最年長のちびっ子コーチを自負される池上正氏著の2冊の本「サッカーで子供をぐんぐん伸ばす11の魔法」及び「サッカーで子供がみるみる変わる7つの目標」で最近出会ったサッカー指導書と言うよりは、育児書のようなバイブルの中の言葉でした。
 これまで述べて来た、戦術的ピリオダイセーションもこのポリシーに通じるものがあるように思います。
 カオス状態の中、自分で考え答えを見つけ行動し、仲間を信頼して最善のプレイを選択し、自分のプレイに責任を持つ。まさに人生の縮図ですね・・・

 しかし・・・

 この本の中で最大の忠告、メッセージは 「大人が変わらなければならない」
だそうです。
 特に、お母さん方や指導者(貢川の指導者には該当しなくて一安心一般的にという意味でご理解ください)には耳が痛い話が出て来ます。
 しかし、冷静に自らを省みることで子供たちのためになるなら、一読の価値はあると思います。
 この本のもうひとつにして最大のメッセージは「子供を育てることを主眼に置く。」ということのようです。
 あれこれ子供のためを思って大人がすることが、子供を育てる芽を摘んでいる、フットボールが上手くなる要素を否定しているということを気づく必要があります。
 これまでの(大人達の)自己否定になりますので、なかなか受け入れがたいかもしれませんが、今の貢川の子供たちを取り巻く環境はそれほど苦労せずに、理想像に近づけるような気がしています。
 なぜなら、皆さんがとてもこの本に近い感覚をお持ちだからです。
 壮大なる実験として、(言葉が悪いですが)子供を育てるため、フットボールが上手くなってもらうためのキーワードをこれから書いていこうと思います。
 カオスの中のバタフライ効果として、子供たちのためになれたらこんなにうれしいことはないですね。
 でも、間違っていたらどんどん指摘して頂きたいと思います。
 全ては子供たちのために・・・

フットボールで子供を伸ばす方法(その2)2010/12/31

考えさせる・・・

 なぜ子供たちにサッカーをやらせているのですか?
 子供がやりたいといったから?体力づくり?Jリーガーにさせるため?etc
 (いずれにしろ目先の試合に勝つためでもないし、ドリブルシュートができるようになるためではないような気がするのですが・・・)
 
 なんのために子供を育てているのですか?
 人に恥ずかしいと思われないため?

 少し前の平日朝の我が家の光景です(-"-)
「今日は○○があるんでしょ?○○持った?」
「半ズボンじゃ寒いから、こっち(長ズボン)はいて行きなさい」 etc
 管理人「いいだ、自分で判断したなら、寒くて風邪をひけば次は長いのはくようになるだから、自分で気づかなきゃ忘れ物もなくならないよ・・・」
「だって、恥ずかしいじゃない(かわいそうじゃない)」etc

 学校の先生方は、
「学校ではみんなと同じようにしっかり話を聞くよう家庭でもお子さんに言い聞かせてください」(;一_一) 「家で宿題をさせてください」etc

 サッカーでは(一般的な話なのであしからず)
「そこはドリブルだ」「ほら逆サイドへパス」「シュート打て」「走れ、さぼるな」etc
 
 日々の生活の中で子供たちに考え行動させているでしょうか?

 日本人は村を作り共同作業を行ってきた農耕民族です。厳しい自然環境のなかで助け合って生きてきた民族です。ですから、突出した個性よりは、共同作業が出来る調和のとれた人間を尊ぶ国民性なのかもしれません。

 一方スポーツに目を向けると、国技と呼ばれる 相撲、柔道、空手等は型があります、まさに要素還元論的に上手くなるとは型を覚えること?(違っていたらご指摘ください。最近のカオス的なレスリングのような柔道では、その型が通用しなくなってきているような気がするのですが・・・)
 長らく準国技的に扱われていた、野球も打つのも投げるのも基本となるフォームがあります、そのフォームを覚えることである程度は上手くなれます。
 ですから、相撲等では親方(師匠)がいて技を伝授してくれます。
 野球は、攻撃でも守備でも1球1球監督が指示できる、選手を将棋の駒のように扱える変なスポーツです。

 一方社会では、一流企業に入れば、一流大学に入れば幸せになれる、塾に行けば成績が上がる。(その神話も最近は崩壊しているようですが・・・)
 お母さん方お得意のダイエットも「○○ダイエット○○さえ食べれば痩せられる」(^_^;)

 日本人は、みんなと同じ型にはまる事で安心し、要素還元論的○○さえすれば結果が出ると信じることに慣れている(すがっている)のかもしれません。それは、自分で責任をとらなくてよいから・・・?
 自分で考えられないのは子供たちが悪いわけではなく、自分で考え行動する事になれていない民族性なのでは?社会や大人達が子供が考える芽を摘んでいるのでは?と思ってしまうのですが・・・
 ですから、テクニックはあるが、カオスであるフットボールが苦手なのかもしれません。

 前説が長くなってしまいましたが、なぜ子供にサッカーをやらせているのか?なぜ、子育てをしているのか?
 いろいろな理由はあると思いますが、サッカーは前述のオシム監督の言葉のように「人生のいろいろな事が学べて、子供を育てることができる」スポーツなのだそうです。
 折角そんなチャンスに巡り合っているのですから、使わない手はないですよね。

 それでは、どうすればよいか?
 本書では、次のように提案されています。

① 「学ばせよう」「考えさせよう」と意識して「子供と対話しましょう」
② 「恐怖の教育」と呼ばれる日本的な教育をやめましょう
③ 1+1は田んぼの田
④ デンマークサッカー協会の10カ条

 ここで今年もあとわずかとなってきました。続きはまた来年に・・・

 泣いたり笑ったり怒ったり、本当に楽しいスポ少の1年でした。
 来年も是非、子供を育てるため、そうして子育てに頑張ってきたちょっぴりのご褒美に、子供たちに楽しませてもらいましょう。

 それでは、良いお年を・・・